岩田デザイン事務所 

Iwata Design Studio

岩田 和憲

Kazunori Iwata

言葉を起点にしてデザインを作っています。
 

もともと文を書くことから自分の経歴を始めたというのもありますが、僕は言葉を起点にしてデザインを作っています。

デザインを言語として考えています。

本来ものを作り、人に渡したり伝えたりすることには言葉がともないます。そもそも人間が世界を自分なりに理解したり概念を掴んだりできるのは、人間が言語能力を持っているからです。言語は人間にとって根本的なものです。

無骨な職人さん、山村で農業をしてきたお婆ちゃん。彼らのような多くの言葉を発さない人たちが、経験のなかから語る一言、二言に言語としての力があるのは、その人の掴んでいる概念が確かなものだからです。

デザインもそこは同じです。

それをやろう、というのが僕の考えです。

デザインで「ちゃんとしたもの」のように見せるのではなく、

「ちゃんとしたもの」を伝えるために、デザインの力を使う。

ところが一方で、ムードというものがあります。

「今っぽい」「オシャレ」といった、なんとなくのムード。

自分で何かを捉えるのではなく、ムードという雰囲気に委ねるため、なんとなく大量にものを流していくという危うさがあります。

現実はこのムードによって、多くの消費行動が煽られている側面があるわけですが、それは流行となり結局ものの半年で消えていきます。

そういう時代の貧しさ(結局のところ技術の保証が取っ払われたら誰も生きていけない現代人の貧しさ)を、もう何十年と僕たちは見てきたのだと思います。

「芯を持った言語」から生まれるのではなく、ムードによって人々の感覚に広告を滑り込ませ、消費行動へと煽り立ててく。

 

例えば、ガチョウを必要以上に養殖して羽毛を何度もむしり取りダウンウェアを生産して売りつけることに、何の意味があるのだろうか?  医薬品の市場をせしめたいがために薬品価格をコントロールし貧困国の病人が薬の購入を諦めざるを得ないような事業モデル、そんなものをデザインでPRすることに何の意味があるのだろうか? そこに誰の未来があるというのだろうか?

人の生活を豊かにするのではなく、虚しい方向へ引っ張っていく力を、デザインは一方で持っているということです。

 

そういうものとしてデザインの力が使われる時代、はたまたデザイナーと呼ばれる人たちがそうしたことに自身の力能を使う時代は、もう終わらせなければいけないと僕は思っています。

いったい、​誰のためのデザインなのか? と。

もっとほかに成すべきことは、たくさんある。個人の中にもたくさんある。思いを持って動いている人、小さな組織、小さなお店、そうしたものに宿る本質的なものがこの世界にはたくさんあります。それこそ半径500m以内にもたくさんあります。

その本質的なものを僕は思想と呼び、そのかたちは「人の生活」という視点に到ると考えています。

 

思想と人の生活。デザインでそこを掘り起こす仕事に、僕は未来を見ています。そこには必ず言語があるからです。そうした思いをもった人たちの中には、それで生きてきたという生活の事実と、みずから考え経験してきたという事実があるからです。

僕の仕事の一例です。

  1. 新しい生き方や価値観を提示する人たちを取材し記録する、マガジンを創刊、アートディレクションと編集・執筆。

  2. 「生活から生まれる農民家具」という視点で、親子で木工家具を作っている工房のパンフレットデザインと紹介文の執筆。

  3. 震災でダメージを受けた三陸沿岸部で、江戸時代の蔵を利用して人が集うプロジェクトのアートディレクションを担当。

  4. 放っておくと廃材として捨てられる古民家建材を、昔の知恵が詰まった文化的財産ととらえリユースしていく「古木」のブランディング企画。アートディレクションからマガジン編集長まで担当。

  5. 自然農にこだわる一次生産者の仕事を料理で繋ぎ、食文化を立て直そうとする料理屋さんのグラフィックプロデュース。

  6. 道端に落ちている何の変哲もない石を美術品として展示する企画展 の主催。テーマは「自分の眼で身近なものから価値を見つける」。

こんな具合に「言葉を起点にしたデザイン」に取り組んでいるうちに、仕事は企画からコンセプトの作成、時に取材、執筆と、言葉もビジュアルも含み込んだかたちへと展開しています。

​それが、僕が今やっている仕事です。

 

手がけている具体的な制作領域をいうと

今のところこんな具合です。

ロゴデザイン、アプリケーションデザイン(名刺・カード、封筒など)、パンフレット、リーフレット、チラシ、DM、ポスター、ステッカーなどのグラフィックデザイン。フリーペーパーなどの編集デザイン。ホームページのデザイン(コーディングは別の人と組みながら)。マガジンの企画、取材、写真撮影、編集執筆。事業コンセプトの作成。

​履歴とクレジット

 

1976年、岐阜県生まれ。

1999年、大阪外国語大学(現・大阪大学)フランス語を卒業。

同年、岐阜新聞社に入社。記者として3年半勤務。

2006年、株式会社モダンブルーにカメラマンとして入社。写真表現の延長としてグラフィックデザインを独習。撮影、デザインほか、WEBコンテンツの制作・企画ディレクションなどを重ねる。

2016年、人の生活と思想をデザインで掘り起こそうと、岩田デザイン事務所を設立。

270-2222

千葉県松戸市高塚新田642-59

Tel : 080-3019-7964

E-mail : kazunori.iw@gmail.com

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