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#3 亡霊の演算回路
かつてSNSと呼ばれた意識の標本室はすっかりロボットたちの戦場となり果てたが、その事実に人間たちが気づくのに10年かかったわけだ。
すでに2026年の時点で、5億8,500万あったXアカウントのうち94%がロボットだった。あとは、ロボット化した人間たちによる自動アカウントが3%、不明が2%、そして1%が人間だった。
富にまつわる巨大な幻想を後ろ盾に、金融資本主義がイランの女学校を爆破した時、ロボットがそれについて投稿し、ロボットがそれをリポストし、ロボットがそれについて喧嘩をしたわけだが、結局、ネタニヤフもトランプもすべてロボットだったわけで、じゃあ人間はそのときどこにいたのかというと、女学校にいたというのである。
情報はゴミと化した。SNSも滅んだ。人は「書く」ことも「撮る」こともやめてしまった。
あの爆破を生き残った人間たちは、自身の心拍数や脳波パターンをファントム・プロセッサで公開しているが、もはや生活そのものを自動記録しているだけで、主体性も自発性もない。そして誰も見ていない。ファントムというように、生命すらなく、承認欲求だけが亡霊のよう
4月15日


#2 3,000億体のコピーロボット
一人の子どもが産まれるために3000億の精子が蕩尽される。これは銀河系の恒星の数に匹敵する。
トランプはイランを石器時代に戻すため、2,000億ドル(約30兆円)の追加予算を要求する。
僕たちは今や、連日のように働くだけではすまない。一人3,000億体のコピーロボットを作り、労働させるべきだ。みんな、もっと働こう。もっと税金を納めよう。なんのために? イランを石器時代に戻すために。そして莫大な電力を3000億体のコピーロボッに供給するために。
働くのは立派なことだ。僕らはかつて3,000億の倍率を勝ち抜いたわけだが、そうして産まれた子どもたちが今何をしているかというと、イランを石器時代に戻すために働いている。
稼ぎに稼いだ3,000億円を宗教と国家に納め、資産1円を残して死ぬ精子である。
4月13日


#1 火星という生命保険を売り歩く。
核戦争、AI暴走、小惑星衝突。地球という単一の惑星文明は、崩壊のリスクを常に抱えているわけです。そこで人類は新たな生命保険を立ち上げた。それが火星でした。
あのころシリコンバレーの加速主義者たちは、火星の有用性を盛んに訴えていました。錆びついたレゴリスの不動産を命の保険だと言って、ニューギニアのマッドマンにまで売り歩いたといいます。
グラフィックデザイナーもまた仕事を求め、火星へ向かいました。そして、水と緑に満ちた地球の市民たちに、夢のような火星移住の物語を語り、後に多くの人を肺炎に陥れたレゴリスの粉塵にまで、ブランディングの装いを施したのです。
今となっては信じがたいことです。しかし当時、それがデザイナーと呼ばれる人たちの仕事になっていたのです。
4月13日
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